私の住んでいるお寺は山梨県の上野原という処にあります。
朝は野鳥の囀りに目を覚まし、窓を開ければ川面に一面の煙霧がたなびく、まるで墨絵のごとき風景を目にすることが出来ます。しかも、緑の中を通り抜けてくる涼風は香風を漂わせます。このような自然に恵まれた別天地に住まわせて頂くことに、手を合わせずにいられない毎日です。
人間というものは凡夫です。特に私などはその真っ只中におります。雑踏の中を行住している時でも、友と語り合っている時でも四六時中、無明(仏教で真理や悟りとは程遠い状態をいう)の真っ只中に生きております。
だからこそ、常に剃ってある頭に手を当てる事で、
「ああ、自分は坊主なのだ」と感じる事を心掛けているのです。
それが私の戒めとなる経典なのです。

「食生活の歪を正し、心の歪を正し、身体の歪を正す事が幸せな人生の道である」 先代宗哲和尚から、この理念のもと、大自然の恵みの野菜を使ったおいしく美しい、ボケずに長生きするための健康精進料理を通して、人の命の尊さを伝導して行くことに主眼を置き、日々精進して行こうと思っております。
また、現代社会に於いてお寺の存在意義が問われています。
み仏のご加護を賜り、微力ではありますが、檀信徒及び多くの人たちが
生きる力と安心を得られるお寺となるよう、また心の癒せるお寺となるよう務めて行く考えです。
今後とも皆々様のご法愛を賜りますようお願い申し上げます。
合掌